皆様、こんにちは。
今回は、「水回りリフォームの難しさ」について詳しく解説したいと思います。
お客様目線でも、リフォームを依頼する際の業者選びは非常に難しいと思いますが、実は業者目線でも、お客様に満足していただけるリフォームを完遂させるのは、非常に難しい作業となります。
そのあたりを詳しく解説していきます。
水回りリフォームの難しさその①「現場調査が難しい」
リフォーム現場の場合、建物の構造、築年数、使用している材料、配管や配線のやり方、内装仕上げの工法等、ありとあらゆる条件が現場ごとに異なっているので、現場の状況を全て100%把握するのが、まず困難です。
建築当時の図面等、詳細な資料が残っていればまだマシですが、資料も何もない家も沢山あります。
お医者様の場合は、レントゲンを撮ったり、CTスキャンしたりして、目に見えない部分もある程度可視化する事が可能ですが、リフォームの場合は、なかなかそういう事はできません。
では、そういう状況の中、図面や資料以外で私達はどうやって現場の状況を把握するのかというと、それはもはや経験に基づく知見のみが頼りになります。
書籍等から得られる知識も勿論大切ですが、実際自分が見てきた、触れてきた、関わってきた経験がとても重要です。
なぜなら、全ての現場が教科書どおり正しい施工をしているとは限らないからです。
「現場の状況をどこまで正確に把握できるか」が、見積書の精度にも大きく影響しますので、現場を調査する人は、非常に高いスキルが求められます。
水回りリフォームの難しさその②「提案が難しい」
お客様の要望を聞き出してご提案するのは、新築もリフォームも同じですが、新築の場合は、何もない状態から造り上げていくものなので、例えばタイル張りにしたいと言われれば、タイル張りにすれば良いだけで、ここにも蛇口(水栓)を1つ付けて欲しいと言われれば、付けてあげるだけで良いのですが、リフォームの場合は、そう簡単にはいきません。
なぜなら、リフォームの場合は、一旦は完成した状態がある中で、それに何とか手を加えて、お客様の要望に沿うようなご提案をする必要があるので、新築時の提案に比べると、遥かにレベルが高い作業になります。
しかも、それを現場の状況が100%把握できない状況で、
お客様の要望が可能かどうかの判断や、費用や工期がどの位かかるかの判断、そうする事で生じるメリットや、デメリットの提示等、かなり細部にわたる知識が必要となります。
特に水回りのリフォームに関しては、配管工事の知識が乏しいと、実際は出来ない内容でも「出来る」と誤ってご提案したり、実際はもっと簡単に出来た内容でも、無駄な出費をいただくご提案になっていたり等、トラブルの原因となります。
水回りリフォームの難しさその③「工事が難しい」
新築の場合は、材料も全て新品で、自分の思うように作業できますが、リフォームの場合は、元々使用されている材料を生かしつつ、新しい材料を組み合わせて作業する必要があるので、工事の難易度も新築の作業に比べ、格段に難しくなります。
また、配管作業等は、限られたスペースや、床下での作業を強いられることもあるので、熟練された技術が必要で、場数をどれだけ経験しているかが重要になります。
現場によっては、臨機応変な対応が必要になるケースもあるので、柔軟な発想力も職人には求められます。
新築しか経験した事のない職人が、リフォームの現場では「役に立たない」とよく言われる所以です。
水回りリフォームの難しさその④「現場監理が難しい」
新築の場合は、まだ誰も生活していない中での工事なので、住んでいる方への配慮も不要ですし、工程もある程度大雑把で大丈夫ですが、リフォームの場合は、お施主様が生活されている中での工事となりますので、住んでいる方への配慮が非常に大切になりますし、工程も1日1日ズレる事なく、詳細に段取りする必要があります。
また、工事監理に関しても、新築は現場ごとほぼ同じ事の繰り返しですが、リフォームは、ほぼ全く同じという現場は二つも無いので、毎回異なる状況の中で、また予測不能な事態が発生する可能性も高く、現場監理は豊富な経験と知識が必要となります。
職人と同じで、「新築の現場監理が出来るからリフォームの現場監理も大丈夫!!」という訳にはいきません。
まとめ
いかがでしたか?
水回りのリフォームが、一筋縄ではいかない事が少しでもご理解いただけましたでしょうか?
工事する側にとっても、非常にレベルの高い作業となりますので、業者により完成度の違いや、お客様満足度の違いが顕著に表れるのは、ある意味仕方がない事かも知れません。
それ故に、お客様にはより慎重に業者を選んでもらい、予算も大切ですが、より信頼できる業者にリフォームをご依頼いただきます様、お願い申し上げます。
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