先日、OBのお客様から「トイレの水が止まらない!!」とご相談がありました。
よくよくお話をお伺いすると、水が便器へ常にチョロチョロ流れてるという内容でした。
早速、現場調査に向かいました。
Part1.現場調査開始
現場に到着して早速状況を確認しました。
確かに便器へ水がチョロチョロ流れている状況でしたが、「チョロチョロ」というよりも「シャー」っていう感じで結構な量が流れています。(この段階で、よくあるトラブルのケースでない事を疑います。)
次に、タンクの蓋を開けて、タンク内を確認しました。
一般的によくあるトラブルでは、主にフロートゴムの劣化が原因で、タンク内の水が便器へチョロチョロ漏れ出すパターンと、ボールタップの故障で、タンク内の水位が規定の高さになっても給水が止まらず、規定の水位をオーバーする事により、オーバーフロー管からタンク内の水が便器内へ漏れ出すパターンの2通りが最もよくあるケースです。
今回もそれが原因である可能性もあるのですが、便器内への水の漏れ方が通常よりも多いので、別の原因を探りました。
するとやはり予想通り、オーバーフロー管がグラグラしていました。
つまり、オーバーフロー管の根元のひび割れが原因と判明しました。
Part2.ロータンク取外し
オーバーフロー管のひび割れを修理するには、オーバーフロー管の交換が必要で、オーバーフロー管は排水弁部と一体型になっているので、排水弁部の交換が必要です。
また、排水弁部を交換するには、ロータンクを一旦便器から取り外す必要があるので、早速タンクを取り外します。
Part3.排水弁部の取外し
では、早速排水弁部を取り外して、状況を目視で確認します。
やはり予想通り、オーバーフロー管の根元に亀裂が入っています。
この部分に破損があると、例えフロートゴムが新品でも、タンク内の水が便器へ漏れてしまいます。
Part4.密結ボルトの交換
排水弁部の亀裂を確認できたので、ロータンクの修繕に取り掛かります。
先ずは、密結ボルトを交換します。
この密結ボルトの役割ですが、このボルトをロータンク側に取り付けて、タンクを便器に乗せる際に便器側に空いている穴にボルトを通し、下からナットとワッシャーで締め込んで便器とタンクを強固に固定する為の重要な部材です。
Part5.排水弁部とボールタップの取付
密結ボルトの取付が完了したら、排水弁部とボールタップを取付けます。
排水弁部を取り付ける際は、オーバーフロー管の向き(位置)に注意する必要があります。
位置を誤るとボールタップと干渉したり、レバーハンドルと干渉する恐れがあり、タンクが正常に機能しなくなります。
Part6.ボールタップの水位調整と試運転
タンク内の部品を取付けたら、いよいよタンクを便器に固定します。
便器に固定後、フロートゴムの鎖と洗浄レバーを連結し、給水管と接続して通水し、規定の水位でタンクへの給水が止まる様にボールタップを調整し、その後試運転を行います。
Part7.修理完了
最後にロータンクの手洗器と給水ホースを接続し、蓋を閉めて工事が完了です。
今回の修理工事では、本来必要なのは「排水弁部」の交換ですが、「密結ボルト」や「ボールタップ」も交換させていただきました。
弊社では普段から心がけている事ですが、
「最低限」ではなく「最善」の仕事をする事。
単に原因を取り除くだけでなく、将来のリスクにも備えて最善の提案と仕事をする事が、プロとしては当たり前の姿勢ですし、お客様に対する「思いやり」だと思います。
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