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トイレの水漏れ、詰まり、不具合等、トラブル解決集

◎ロータンク式便器の仕組みの例(旧TOTO製タイプ)

・先ずは下の図を見て下さい。ロータンク式便器のタンク内構造の一例です。

ロータンク内部構造図

ロータンク式便器のタンク内の仕組みについて簡単にご説明します。

STEP
水がタンクに給水されます

タンクが空になると「ボールタップ」部の浮玉が下に下がり、止水栓を通じて「ボールタップ」部の吐水口や、タンク上部の手洗い水栓部から水がタンク内に給水されます。

STEP
ボールタップの浮玉が徐々に上に上昇します

タンクに水がどんどん溜まり、水位の上昇と共にボールタップ部の浮玉も上に上昇して、タンク内への給水量が徐々に少なくなります。

STEP
ボールタップの浮玉が所定の高さに達します

タンク内の水が所定の水位に達すると、ボールタップの浮玉も所定の高さになりタンク内の給水が自動でストップされます。

STEP
フロートバルブが開きます

トイレ使用後、洗浄レバーを操作すると、レバーの先端と「フロートバルブ」を繋いでいる鎖が上に引っ張られ、「フロートバルブ」が上に持ち上がる事でタンク内の水が一気に便器に流れ落ちます。

STEP
STEP1に戻る

洗浄レバーを操作した後はSTEP1に戻り、それが繰り返されます。

困った女性

ねぇねぇ、じゃあ万が一「ボールタップ」が故障して、タンクへの給水が止まらなくなったらどうなるの?溢れちゃうの?

大丈夫ですよ!!タンク内にオーバーフロー管という筒状の部材があって、水位が一定量を超えるとその管から便器へ水が排水される仕組みになっています。便器内の水が増えた分は、勝手に排水管を通じて屋外に排水されます。

■ロータンク式便器のトラブルQ&A

Q1.水が便器内へチョロチョロ流れていて止まらない?(クリックしてね)

【A1】水が便器内へチョロチョロ流れていて止まらない原因は、主に2パターンのケースが考えられます。(例外もあります。)

先ず、1つ目の原因として考えられるのは、ロータンク内に溜まっている水の〝栓”の役割をしている「フロートバルブ」(前頁上図参照)が経年劣化し、タンク内の水を完全に止めておく事ができず、タンク内の水が便器内にチョロチョロ漏れ出すケースです。

2つ目の原因として考えられるのは、タンク内の水位を制御している「ボールタップ」(前頁上図参照)が故障し、タンク内の水位が規定水位よりも上回るため、オーバーフロー管を通って余分な水が便器内にチョロチョロ排出されるケースです。

どちらか一方のみ故障している場合は、タンク内の水位で判断できますが、両方に不具合がある場合は、どちらか一方を交換してから様子を見ないと判断ができないので、この機会にまとめて両方を交換するのがベストな選択肢だと思います。

両方を交換した場合の工事費ですが、弊社の場合、部材+工事費+出張費=15,000円~20,000円(税込み)位必要です。

※フロートバルブやボールタップは、現在設置されている便器のメーカーや型番によって適合商品が異なりますので注意が必要です。
また、チョロチョロ漏れている状態で放置しますと、水道代金がどんどん高くなりますので、発見次第、直ぐに修理の手配をする様にして下さい。

Q2.ロータンクの手洗い水栓からの水が止まらない?(クリックしてね)

【A2】ロータンクに設置された手洗い水栓(手洗い用の蛇口)から水が止まらなくなる原因として考えられるのは、タンク内の他の部材と「ボールタップの浮玉」(前項上図参照)が何らかの原因で干渉し、上に浮き上がる事が出来ず、常にボールタップの開閉弁が開きっぱなしになってしまっているケースが考えられます。

修理方法としては、止水栓や水道元栓で一旦水を止めて、ロータンクのフタを開け、浮玉の引っ掛かりを解消してあげるととりあえず改善されますが、引っ掛かった原因を見つけて対処しないと、直ぐにまた同じ様な現象が起こります。

引っ掛かりの原因として一番厄介なのは、ロータンクの内壁に張り付いている防露材(発泡材)が何らかの原因で膨張し、それによりタンク内のスペースが狭くなり、浮玉が引っかかってしまうケースです。

このケースの場合は、防露材の膨れ加減にもよりますが、ロータンク+便器ごと交換する必要がでてきます。

※例外として、浮玉の引っ掛かりが原因ではなく、単純にボールタップの故障が原因であるケースも考えられます。

Q3.レバーを操作して便器を洗浄すると、洗浄水が止まらない?(クリックしてね)

【A3】レバー操作後、洗浄水が止まらない場合は、レバーが元の位置に戻っているか確認して下さい。

正常であれば、手を離すとレバーが自然に元の位置に戻るのですが、劣化してくると、レバーが自然に戻らず、手を離しただけでは開いた状態のままになって、洗浄水がいつまでも便器に流れ込む状態になります。

劣化が軽度の場合は、レバーに少し刺激を与えると勝手に元の位置に戻りますが、重度になってくると、しっかり手で元の位置に戻してやらないと戻らなくなります。

修理する方法は、レバーを交換すれば改善されます。


【レバー交換工事費用:部材+工事費+出張費=約9,000円~10,000円(税込み)程度】

Q4.止水栓や、止水栓とタンクを接続している管から水が漏れている?(クリックしてね)

【A4】止水栓本体や、止水栓とタンクを接続している管から水が漏れている場合は、大抵パッキン類の交換で修理可能です。


【パッキン交換工事費用:部材+工事費+出張費=約6,000円~8,000円(税込み)程度】

Q5.便器とタンクが繋がっている管(洗浄管)から水が漏れている?(クリックしてね)

【A5】タンクが壁に設置されており、便器とは一本の管で繋がっているタイプで、その繋がっている管から水が漏れる場合は、それぞれの連結部のパッキンの交換または、洗浄管の交換が必要になります。

便器の型式や種類によって、洗浄管の太さが32㎜のタイプと、38㎜のタイプがあり、どの連結部から水が漏れているかによって交換するパッキンの形状が異なります。 また、漏水の原因がパッキンではなく、洗浄管の経年劣化による腐食等によるものの場合、洗浄管の交換が必要になります。

【パッキン交換の場合の工事費用:部材+工事費+主張費=約8,500円~10,000円(税込み)程度】

【洗浄管の交換の場合の工事費用:部材+工事費+出張費=約12,000円~20,000円(税込み)程度】

Q6.洗浄レバーを操作すると、便器とタンクの隙間から水が漏れる?(クリックしてね)

【A6】洗浄すると、便器とタンクの隙間から水が漏れる場合は、タンクと便器を固定しているナットが緩んでいるか、タンクの底部に付いているパッキン等が劣化している事が考えられます。

ナットが緩んでいる場合は、ナットを増し締めすれば良いのですが、パッキン等が傷んでいる場合は、タンクを一旦取外してパッキン等を交換する必要があります。

【パッキン等交換工事費用:部材+工事費+出張費=約10,000円~12,000円(税込み)程度】

Q7.洗浄レバーを操作しても水が流れない(タンクに水が溜まらない)?(クリックしてね)

【A7】これは特にTOTO製新型(現行品)タイプの便器で発生するトラブルですが、便器洗浄後時間が経ってもタンクに水が溜まらない場合は、ボールタップの水量を制御している「ダイヤフラム部」を交換します。


【ダイヤフラム部交換工事費用:部材+工事費+出張費=約7,000円~8,000円(税込み)程度】

TOTO製新型(現行品)タイプの便器の見分け方は、ロータンクの蓋を開けて中を覗くと、陶器製のタンクの中に樹脂製のタンクが設置されています。(タンクが二重になっています。)

■その他の形状の便器及び便器共通トラブルQ&A

Q1.便器が詰まってしまった!!どうすれば良いですか?(クリックしてね)

【A1】トイレの軽微な詰まりは、ご自身でも解決できます。
①用意する物:ラバーカップ(先端がお椀を逆さにした様な形状で、それに取っ手となる棒がくっついた器具。俗に言う〝スッポン”)、大きな透明なビニール袋、粘着テープ。

②ラバーカップのお椀の方を下に向けて、便器の水たまりの中に立てます。

③次に大きなビニール袋の中央付近に、そのラバーカップの取っ手が通るくらいの穴を開けます。

④ビニール袋の穴にラバーカップの取っ手を通して、ビニール袋を便器を覆うように被せ、 便器の縁に沿ってビニール袋を粘着テープで固定します。

⑤準備が全て整ったらラバーカップの取っ手を握り、便器の水たまりをめがけお椀が潰れる位ラバーカップを力強くゆっくり押し込み、1~2秒数えた後、次にそれを一気に手前に引っ張ります。

⑥詰まりが解消されるまで、⑤の動作を何度も繰り返します。

※但し、トイレに流してはいけない物(おむつ、生理用品、携帯電話、子供のおもちゃ等)を誤って流した為にトイレが詰まってしまった場合は、おそらく上記の方法では解消されず、便器を一旦取り外したりする必要がありますので、専門の業者に依頼するようにして下さい。

ラバーカップのイラスト
ラバーカップ使用方法
Q2.洋式便器の足元(床設置面付近)が濡れている(湿っている)?(クリックしてね)

【A2】洋式便器の足元が濡れていると排水が漏れているのか?と疑いたくなりますが、便器にガタツキがあったり、便器がグラグラしていない限り、その可能性はかなり低いです。

もし、上記の様にガタツキ等がある場合は、便器を固定しているナットが緩んでいる可能性があるので、増し締めして様子をみます。それでももし解消されなければ、便器を一旦外して、配管との接続部のパッキンやガスケットと呼ばれるパテを交換します。

洋式便器の足元が濡れている原因で最も一番多いのは、男性のおしっこのおこぼしです。
特に小さい男の子のお子様がいらっしゃるご家庭ではよくあるトラブルです。先ずはその可能性がないかどうか確認して下さい。

次に多いのが、トイレの他の部分から水が漏れており、それが床を濡らしているパターンです。その中でも特に多いのが洗浄便座からの水漏れで、便座内部の貯湯タンク付近から水がポタポタと床に落ちているケースがあります。
また、便器に接続されている給水管からの水漏れのケースもありますので、トイレの床が濡れている場合は、排水の漏れを疑う前にそれ以外の箇所で水漏れが発生していないか十分確認して下さい。

最後に稀なケースとして、便器の結露が原因で床を濡らしているケースもあります。便器やロータンク外側が結露していないかよく観察して下さい。

Q3.洗浄便座から水が漏れている?(クリックしてね)

【A3】洗浄便座本体から水がポタポタ漏れている場合は、便座本体に原因がありますので、メーカーによる修理が必要になります。

但し、かなり年数が経っている商品は、修理部材そのものが供給不可になっているケースもあるので、その場合は便座本体の交換が必要となります。

また、下記に記載している洗浄便座に関するトラブルもメーカー修理が必要です。
・ボタンを押してもおしり洗浄機能等が作動しない
・洗浄便座の便座が温くならない他

Q4.フラッシュバルブ式便器の洗浄水が止まらない?(クリックしてね)

【A4】フラッシュバルブ式便器(下記写真参考)の洗浄水が止まらない場合は、フラッシュバルブ内の「ピストンバルブ」という部品を交換します。

フラッシュバルブ式和式便器の画像
フラッシュバルブ式便器の画像
ピストンバルブ交換図
Q5.タンクレス便器の洗浄が流れない?詰まり?(クリックしてね)

【A5】タンクレス便器を使用後、リモコンの洗浄ボタン等を押しても洗浄水が少ししか流れず、汚物やペーパーが流れていかない場合は、配管の詰まりもしくは、便器本体の故障の可能性があります。


配管の詰まりか、本体の故障かを判断するには、バケツに汲んだ水を一気に便器に流してみて、水嵩が増えてくる(排水されない)と詰まりの可能性が大で、水嵩が増えてこない(排水される)場合は、本体の故障の可能性があります。

詰まりの場合は、ラバーカップ等で詰まりを取り除くか、お近くの水道屋さんに依頼して下さい。
本体の故障の場合は、メーカーの修理が必要ですので、メーカーのアフターサービスに直接お電話するか、設置された業者さんにご相談下さい。

◆その他、便器についてのトラブルは下記ページでもご紹介していますので、ご参照下さい。