介護保険住宅改修について

◎介護保険制度のしくみ

介護保険制度は各自治体が運営しており、40歳以上の方が加入者(被保険者)となって保険料を納め、介護が必要になったときにはサービスを利用できるような仕組みになっています。

■第一号被保険者
65歳以上の方で、要介護認定や要支援認定を受けた場合にサービスを利用できます。

■第二号被保険者
健保組合、全国健康保険協会、市町村国保などの医療保険加入者で、40歳以上65歳未満の方で老化が原因とされる病気(特定疾病)により介護や支援が必要と認定された場合、サービスを利用できます。

◎介護(介護予防)サービスを利用するには

介護(介護予防)サービスを利用するには、要介護認定(要支援認定含む)を受ける必要があります。
認定は、介護の必要量を全国一律の基準に基づき、客観的に判断される仕組みで、一次判定及び二次判定の結果に基づき市町村が申請者について要介護認定を行います。

①一次判定:市町村の認定調査員による心身の状況調査(認定調査)及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定。
②二次判定:保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会により、一次判定結果、主治医意見書等に基づき審査判定。

上記の審査を経て、「非該当」「要支援1」「要支援2」「要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」のうちどれかに認定されます。

■介護予防サービスを利用
要支援1・2の人は介護保険の予防給付を受けることができます。

■介護サービスを利用
要介護1~5の人は介護保険の介護給付を受けることができます。

■地域支援事業の介護予防事業を利用
非該当の人は各自治体が行う地域支援事業の介護予防事業を利用することができます。

※介護(介護予防)サービスは、主にケアマネージャーが作成する介護サービス計画(ケアプラン)に基づいてサービスを利用することになります。

◎住宅改修費支給制度の概要

介護保険における住宅改修費支給制度とは、要介護(要支援)者が自宅に手すりを取り付ける等の住宅改修を行おうとする時、必要な書類を添えて各自治体に申請書を提出し、また工事完成後も必要な手続きを行うことにより、工事金額(上限20万円)の9割分(一定以上の所得者は7~8割分)が保険から支給される制度です。

■対象となる人
要支援や要介護と認定された方が支給を受けることができます。

■対象となる住宅改修の種類
①手すりの取り付け
廊下、便所、浴室、玄関、玄関から道路までの通路等に転倒予防もしくは移動又は移乗動作に資することを目的として設置するもの。手すりの形状は、二段式、縦付け、横付け等適切なもの。なお、貸与の対象となる工事を伴わない「手すり」は除かれます。

②段差の解消
居室、廊下、便所、浴室、玄関等の各室間の床の段差及び玄関から道路までの通路等の段差を解消するための住宅改修をいい、具体的には敷居を低くする工事、スロープを設置する工事、浴室の床のかさ上げ等。
ただし、貸与の対象となる「スロープ」又は購入費の支給対象となる「浴室内すのこ」を置くことによる段差の解消は除かれます。また、昇降機、リフト、段差解消機等動力により段差を解消する機器を設置する工事は除かれます。

③滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
居室における畳敷きから板製床材、ビニル系床材等への変更、浴室においては床材の滑りにくいものへの変更、通路面においては滑りにくい舗装材への変更等
※居宅要介護被保険者の心身の状況、住宅の状況等を勘案して必要と認められる場合には、畳敷きから畳敷き(転倒時の衝撃緩和機能が付加された畳床を使用したものなど同様の機能を有するものを含む。以下同じ。)への変更や板製床材等から畳敷きへの変更についても認められる。 

④引き戸等への扉の取替え
開き戸を引き戸、折れ戸、アコーディオンカーテン等に取り替えるといった扉全体の取替えの他、ドアノブの変更、戸車の設置等も含まれます。
ただし、引き戸等への扉の取替えにあわせて自動ドアとした場合には、自動ドアの動力部分の費用相当額は保険給付の対象にはなりません。
※「引き戸等の新設」が「引き戸等への扉の取替え」に含まれ、給付対象となりました。(引き戸の新設により、扉位置の変更等に比べ費用が低廉に抑えられる場合)。

⑤洋式便器等への便器の取替え
和式便器から洋式便器への取替えや、既存の便器の位置や向きを変更する場合。ただし、購入費の支給対象となる「腰掛け便座」の設置は除かれる。
また、和式便器から暖房便座、洗浄機能等が付加されている洋式便器への取替えは含まれるが、既に洋式便器である場合のこれらの機能等の付加は含まれません。
さらに、非水洗和式便器から水洗洋式便器または簡易水洗洋式便器に取り替える場合は、当該工事のうち水洗化、簡易水洗化の部分は保険給付の対象にはなりません。

⑥その他①~⑤の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
a.手すりの取付けに伴う壁の下地補強
b.床又は通路面の材料の変更(浴室の床のかさ上げ)に伴う給排水設備工事
c.床材の変更に伴う下地の補修や根太の補強、又は通路面の材料の変更のための路盤の整備
d.扉の取替えに伴う壁または柱の改修工事
e.便器の取替えに伴う給排水設備工事(水洗化又は簡易水洗化に係るものを除く。)
f.便器の取替えに伴う床材の変更

■支給される金額
20万円を上限額として、原則9割(18万円)が保険から支給されます。(自己負担2万円)
※一定の所得者は7~8割(14万円~16万円)のみ支給。

■その他
居宅介護住宅改修および介護予防住宅改修の利用は、被保険者一人20万円を使い切れば終わりです。
ただし、被保険者が転居した場合や、要介護度が3段階以上上がった場合は、例外的に再度20万円まで住宅改修費が支給される事があります。

◎居宅介護(介護予防)住宅改修の受領委任払いについて

住宅改修を行う場合、通常は工事完成後、対象者が建築工事会社に一旦工事代金を全額支払った後に対象者に保険金が支給されるという流れですが、これでは対象者の方は先に工事代金分のお金を用意しておく必要があります。
これではせっかくの制度があるのに、お金がない為に利用できない対象者の方が出てくるため、受領委任払いという制度ができました。

受領委任払いという制度を利用すると、対象者の方は、工事後保険対象金の自己負担分(保険対象金額の1割等)のみ建築工事会社に支払いするだけで済み、保険金は後に建築工事会社に支給される形となります。
(例:保険対象金額が20万円だとすると、対象者の方は2万円のみお金を用意するだけで良い)

◎介護保険における住宅改修のすすめ方

居宅介護住宅改修及び介護予防住宅改修は、介護のスペシャリストと、建築のスペシャリストがタッグを組んで行う必要があります。
実際申請書類の中にも、特定の介護系の資格を持った人にしか記載できない書類と、建築の知識を持った人にしか書けない書類があります。

介護保険における住宅改修を行いたい時に相談する相手は、主に2通りあります。
先ずは、要介護者の方で、介護サービス計画(ケアプラン)に基づいて既に多くの介護サービスを利用している方は、ケアプランを作成してもらっているケアマネージャーさん等に相談するのが賢明だと思います。
ケアマネージャーさんは、要介護者の方の症状や生活形態、家族構成等をよく把握していますので、適切なアドバイスをしてもらえると思います。
ただし、ケアマネージャーさんにとって建築の知識は専門外となるので、ケアマネージャーさんに相談した後、信頼できる建築業者さんにも相談することになります。

次に要支援者の方で、介護予防ケアプランを作成しておらず、特に介護予防サービスを利用していない方は、地域包括支援センターの保健師さん等に相談するか、信頼できる建築業者さんに相談すると良いと思います。
ただし、建築業者さんの中には介護保険における住宅改修についての知識が乏しかったり、経験が少なかったりする場合があるので、経験豊富で、介護保険についても十分知識がある建築業者さんに相談しましょう!

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