皆様、こんにちは。
本日は、皆様から多くいただく「ある質問」にお答えしたいと思います。
ある質問というのは何かと言いますと、ブログのタイトルにもなっている
「キッチンや洗面所が臭うのですが?」
という質問です。
実は、このトラブルは同じ原因で発生しているケースが多いので、今回はそれについて解説したいと思います。
◎トラップについて
解決策の前に、少し排水管の仕組みについてご説明させていただきます。
皆様は「トラップ」という言葉を聞いた事がありますか?
一般的によく使われている意味として「罠」とか、「罠を仕掛ける」等という意味で理解されている方が多いと思います。
この「トラップ」という言葉ですが、設備用語でも非常によく使われています。
設備用語で使用する場合、「S字トラップ(Sトラップ)とか、P字トラップ(Pトラップ)、ワントラップ等」という言葉でよく使用します。

この「トラップ」というのは、一体どこの部分に使われているかと言いますと、洗面器や手洗器、流し台等の衛生設備器具と、排水管の接続の途中に設けられています。
このトラップの役割ですが、排水管と設備機器の途中にトラップ(水溜まり)を設ける事で、排水管からの害虫の侵入や悪臭を防止しています。
◎悪臭の原因と対策
トラップの仕組みはご理解いただけましたか?
では、何故このトラップが設置されているのに臭いがするのでしょうか?
基本的にトラップが正常に機能しており、トラップ管と排水管が接着剤等で直接繋がっていれば、ほぼ問題は起きません。ところが、実はマンションや集合住宅を除いた一戸建て住宅の場合、トラップ管と排水管が接着剤等で直接繋がっていないケースの方が多いのです。
一体どういう事かといいますと、一戸建て住宅等の場合、床下から立ち上がっている排水管にトラップ管やジャバラ管をただ差し込む様な形で配管されています。(下図参照)
お察しの良い方はもうお気づきだと思いますが、
その差し込んだ部分の防臭処理が適切でないと、下水からの悪臭があがってきます。
「キッチンや洗面所」の悪臭の原因は殆どがそれです。
トラップ管と排水管との接続部には通常「防臭パッキン(防臭ゴム、クリーンパッキン)等と呼ばれている部材を使用して隙間を埋めていますが、経年劣化等により、そのパッキンが劣化、変形したり、ジャバラ管が縮んだり等して排水管との接続部に隙間が生じる事があります。(下図参照)



◎まとめ
いかがでしたか?
臭いの発生源をご理解いただけましたか?
臭いがするからといって、よく洗面台や流し台のキャビネット内の配管貫通穴の隙間をテープ等で塞いでいる方がいらっしゃいますが、実は、臭いの発生源は洗面台や流し台のキャビネット内ではなく、キャビネット底板と床との間で起こっているケースが殆どです。
臭いが気になる場合は、キャビネット底板の点検口や化粧蓋を外して、防臭処理が適切に施工されているか点検して下さい。
もし、隙間がある場合は、その隙間をテープで塞いだり、シリコン系のコーキングで塞いだり、トラップ管やジャバラ管を一旦取外し、防臭パッキンを交換する等を試してみてください。
※上記内容は、悪臭の原因と解決策のあくまでも一例です。

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